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昭和の糸島288
2020.09.25

王丸の腰かけ石 昭和41年9月
本紙が「糸島風土記」の題で、郷土の伝説や歴史などを連載していた中に「王丸腰かけ石」の話がある。現在は、ほ場整備で移設されているが、当時の写真では、道端に二つならんだ自然石がにょっきり顔を出している。
今からおよそ200年前に伊能忠敬が腰かけた石として、地元の伝説になっている。文化9年(1813)に幕府の命を受けた伊能忠敬が糸島の各地を測量して回ったとき、この石に腰をかけて「この石の頂上は、はるか向こうの可也山と同じ高さである」と言ったと伝えられている。実際には、火山(246㍍)と近いので誤伝かもしれず、伊能忠敬が本当に王丸まで来たのかも分からないという。
いずれにしても、伊能忠敬を敬慕する人々の思いが、地元の伝説として残り、「王丸の腰かけ石」と呼ばれているのがおもしろい。
「腰かけ石」は、糸島市怡土校区の王丸から川原への県道が川原川と出合うところの道端にある。