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昭和の糸島296
2020.11.27

糸島のイリコ漁活況に 昭和62年11月
昭和62年の晩秋、「カタクチイワシの群れが帰ってきた」と、糸島沿岸のイリコ漁をしている各漁協では急に活気づいたという。
カタクチイワシ漁はここ数年にわたって低調で、この前年は全然姿を見せず漁業者たちをがっかりさせていた。
以前は浜いっぱいに敷き詰められたイリコ干しが糸島沿岸の冬の風物詩だった。また数年前から設備投資して各漁協とも加工場を建設し、機械化を進めていた。水揚げされたイワシはそのまま加工場に運び込まれ、機械でゆでて乾燥。それまでの天日干しでは1週間余りかかっていたものが、16時間ほどで製品化できるようになっていた。
この年、イリコは全国で品不足となっていて、糸島に帰ってきたイリコたちは1㌔平均単価1400円から1500円となり、従来の約3倍の高値がついたという。
西浦漁協では、カタクチイワシを追ってきたサワラが1日1千本余りもイワシ網にかかったという、思わぬ「余禄」もあって、漁業者を喜ばせた。