【ドクター古藤の園芸塾】 9
大切に育て、しっかりと生育した野菜や果樹などを収穫するときの喜びは格別ですが、生育途中や収穫後に原因不明の「あれれっ」と思うことありませんか。
病気や害虫の被害でしたら、おおむね目視で確認できますが、「今年のハクサイはりっぱいできた~。食べろうと切ったら、ぞうたんのごと、芯の腐っと~やなかね。がっぱりきた」
残念そうな顔して、私の元へ相談にこられました。
確かに外から見ると、きれいな葉をしているし、がっちり締まったハクサイです。でも、縦に切ったハクサイの中心部、柔らかい芯の部分が茶褐色に変色腐敗しています。
「あら~残念でしたな~。これは芯腐れ症ですな」。病気ではなく、カルシウム不足から来る生理障害の一つです。トマトの先端が腐る「尻腐れ症」も同様で、よく見かけます。
キャベツを大面積で栽培している、プロの生産者も要注意の症状です。プロとしてしっかり施肥管理はやっているはずなのに、なぜカルシウム不足が起きてしまうのか。家庭菜園ならなおさらですね。
そこで原因を探ってみると①石灰肥料を入れても土壌の酸性度中和作用でカルシウムが不足した②油粕や鶏ふんなどの窒素成分を入れ過ぎるとカルシウムを吸収してくれない③天候が良すぎて、枝葉がぐんぐん成長し、カルシウム成分を使い果たした④土壌中にカルシウムはあるものの、土壌が乾燥し水に溶けず、植物に吸収されにくい状態であったなど。
カルシウムが不足した野菜などは、体の細胞がもろくなり、病虫害にも弱くなったり、野菜本来の旨さなどが乏しくなったりしてしまいます。そこで、私はカルシウム成分の定期補給に、特に力を入れて普及しています。
お薦めは、水に溶けやすいケイ酸カルシウムを主体とした粒状肥料「ホワイトカリウ」(当店価格5キロ、780円)または「畑のカルシウム」(同5キロ、643円)。使い方は1坪(3.3平方メートル)当たり300グラム目安に表層にばらまきます。至って簡単です。2カ月に1回ペースで与えると良いでしょう。今、寒さに耐え育っているタマネギやパンジーなどの草花にも与えると効果抜群。
特長は①石灰より溶解度があり、植物体が吸収しやすい②ケイ素も同時に補給するため、作物の生理作用を活発にする③土壌のPhを変化させないなど。 年間通して利用できるカルシウム補給専用肥料です。
糸島農産物はミネラルをタップリ含んで、美味しい。これこそが私が目指す「糸島産であること」。効果期待大です。
(JA糸島経済部部長補佐、アグリマネージャー 古藤俊二)糸島新聞・2023年1月20日