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姫島に待望の電気が灯る 昭和27年12月
電灯がなく不便していた糸島の離島・姫島に、全島民が要望していた自家発電施設ができることが決まった。
芥屋村姫島には63世帯があり、昔ながらのランプを使っている家庭もまだ14、15世帯あり、自宅にバッテリーを置いて電灯を使っている家庭は50世帯ほどあったものの、三日に一度はバッテリーに充電しなければならず、手間と費用がかかり、不便な生活だった。
そのため、数年前から通産大臣あてに第二種電気工作物施設承認申請を出していたが、ようやくこの年の11月19日に正式に認可され、早速、島民は長年の宿願がようやくかなうと喜び、総工費三百八十万円を投じ、来年1月末の完成を目指して自家発電施設を建設することにした。
この発電施設は、木造平屋建ての建物に25馬力のディーゼル発電機を設置し、島内全戸に電気を送るほか、集魚灯など漁船用にも使用される。島民たちは「これで夜も明るくなるし、ラジオを聞けるようになる」と、完成を待ちわびた。写真は姫島発電所。