糸島市商工会創立10周年記念式典が13日、糸島市の伊都文化会館大ホールで開かれた。会員をはじめ、市や市議会、各種団体の関係者約470人が出席し、地域に密着した総合経済団体として、豊かな地域づくりと商工業の発展に向けて努めていく決意を新たにした。
同商工会は2013年4月、前原市、志摩町、二丈町の3商工会合併によって誕生した。糸島ブランド推進による消費拡大や人口増などで、発足後の7年間は比較的に安定した地域環境にあり、当初1,253だった会員数は1,619会員(1日現在)に増加。県内52商工会の中でトップクラスの規模となっている。ただ、20年に始まった新型コロナの感染拡大や、世界情勢の悪化に伴う原油高、原材料高、部材調達難などによって事業環境は厳しくなっている。
こうした経済情勢の変化を踏まえ、大舘照光会長は式辞で「需給構造の変化やデジタル化、グリーン化の進展などさまざまな変化に対応できるよう事業継続に向けた支援などを重点的に進めている」と説明。さらに「財源、組織の見直し改革に取り組んでおり、令和6(2024)年度からは新たな商工会組織で一層力強い支援ができる」と語った。
来賓として式典に出席した月形祐二市長は「これからは『働いてよしの糸島』としていきたい。これによって持続可能な糸島になると確信している。商工会のみなさまと共に、働いて素晴らしい地域をつくり上げることを誓い申し上げたい」と祝辞を述べた。
続いて、功労があった楢﨑勝宣・初代会長(故人)▽山﨑九十九・二代会長▽糸島環境開発(地域貢献活動)▽清澤一孝氏(組織強化活動)に表彰状が贈られた。また、市小学校長会と市社会福祉協議会、九州盲導犬協会の活動などを支援するための図書カードや寄付金の目録が贈呈された。青年部の井上智博さんによる「若手経営者の主張」の発表もあり、「辛抱の中に希望がある。いずれは実る」との信念でコロナ禍を乗り切っている思いを語った。
式典の後、クロフネカンパニー(三重県)の中村文昭社長による記念講演もあった。一般にも公開して行われ、人との出会いを生かし、人生を切り拓いていったさまざまな経験談をはじめ、子育てや人育てなどについて語り、参加者たちはバイタリティーあふれる講演に聞き入っていた。