今宿道路整備進む 移り行く沿線の風景

 西九州自動車道(福岡市~佐賀県武雄市)の一部を形成し、福岡市西区拾六町から糸島市二丈福井を結ぶ延長23.3㌔㍍を「今宿道路」として、国土交通省が整備を進めている。

 これまでに自動車専用道路部(福重JCT~前原東)延長14.5㌔㍍、一般道路部(拾六町~真方)延長14㌔㍍が開通。2021年度から用地買収および改良工事を推進している事業中区間は、真方から二丈上深江の自専部3.0㌔㍍。上深江交差点に二丈IC(仮称)が設置される予定。完成は未定。

 今宿道路の大型交通量は増加傾向で、西九州自動車道沿線に位置する重要港湾伊万里港の貨物量の約3割が、福岡方面に輸送(18年、全国輸出入コンテナ貨物流動調査)されている。また、今宿道路整備と共に、糸島市への観光入込客数は増加傾向にあり、佐賀県西北部地域のさらなる観光振興も期待される。

 昨年12月には東行政区住民へ工事説明会が開催され、今月から工事が開始した。東交差点から波呂北交差点までの2.2㌔㍍が自専部は4車線の高架となり、側道を含むと6車線へと拡張する。
 道路拡張に伴い、202バイパス沿線で01年から営業してきた農産物直売所曲り田の里(二丈石崎)が昨年12月末に閉店。経営してきた阿部幸仁さんは今後について、「以前から取り組んでいた液体たい肥製造事業に専念する」と話した。週2、3回は来店していたという二丈武に住む白石文昭さんは「日常が一つなくなった。スーパーで売っていない魚があり、日々の野菜は全てここでそろえていたのでとても残念」と閉業を惜しんだ。

 隣接する食堂波呂兵衛の店主松尾純一さんは「3、4年先だと思っていたが急な展開で現在出店先を探しているところ」。当面は調理場のみの施設で、刺身やラーメンの出前や出張料理でしのぐ。「再開を待つお客さんの声も多いので、魚料理の出前など色々と対応しながらテナントを探す」と話した。波呂兵衛090(3325)1174

店先にあふれんばかりの野菜陳列が目玉だった曲り田の里
店先にあふれんばかりの野菜陳列が目玉だった曲り田の里(昨年12月撮影)
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