クロツラヘラサギを東アジア各国で撮影し、保護・啓発活動にも取り組む台湾のカメラマン、王徴吉さんによる「王先生のクロツラヘラサギ教室」(ウエットランドフォーラム主催)が5日、福岡市西区の元岡公民館で開かれた。
クロツラヘラサギはくちばしの先が幅広く、へら形になっているのが特徴。絶滅危惧種に指定され、世界での総羽数は約6千羽(2022年データ)。今津湾はクロツラヘラサギの繁殖地である朝鮮半島に近いため、日本最初の越冬地になっている。
王さんは、自身が撮影した写真をスライドで映しながら、約40人の参加者にクロツラヘラサギの生態を説明。「私たちがクロツラヘラサギにとっていい環境を作り、守っていくことが希望につながる」と語った。
参加者は「地元の人として、どのように見守っていけばいいか」「何羽まで増えたら安心できる目安になるのか」など、活発に質問した。
講演後は今津湾に向かい、実際にクロツラヘラサギを観察。瑞梅寺川の河口の中州で6羽が休んでいる姿が見られ、参加者はカメラやスマートフォンで熱心に撮影していた。
今津在住で家族と参加した八田智弘さん(52)は「今津湾のどこにクロツラヘラサギがいるか知りたくて参加した。王先生のレアな写真もたくさん見られて良かった」と笑顔で話した。