ショウガにぜひ挑戦を

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【ドクター古藤の園芸塾】 19

 4月の野菜苗売場は、赤や黄色の絵札が付いたトマトやパプリカ、紫のナス、緑のピーマンなど大変カラフルに、にぎわいます。野菜の品種に、ついつい目移りしがちですが、そこで一呼吸。もしも菜園に余裕があったり、深めのプランターが遊んでいたりしたら、ぜひチャレンジしていただきたいのがショウガ。
 食卓では大量に利用されることはありませんが、秋に掘り上げた新ショウガの香りは格別で、旬を味わえる大切な野菜です。また、植え付けた種ショウガ(古根)も利用できますから、楽しみは増えます。しかし、栽培には一定のこつが必要です。
 特に注意が必要なのが、「連作に弱い」「酸性土壌と乾燥は極端に嫌う」「根が貧弱」「日光を特に好む」などが挙げられます。そこで、こつを紹介します。


 植え付け場所は、日当たり良好で、ショウガを初めて植える場所。根の生育が緩慢で乾燥を嫌う性質からして、堆肥を入れる量は多めです。お薦めは腐植堆肥「糸島よか堆肥くん」を10キロ/坪。
 酸性土壌を嫌うので、糸島産かき殻石灰「シーライム」を650グラム/坪と多めに施します。生育期間が長く、追肥と土寄せが必要ですから、基肥は一般的な配合肥料を500グラム前後土と混ぜ合わせます。
 種ショウガは1坪当たり20株(2キロ)を準備します。1塊100グラムを目安に種ショウガを手で割り、コブのところに、子どもの小さい歯のような膨らみがあるのを確認しておいてください。株間を30センチ、深さ7~8センチで、先ほどの小さい膨らみを上にして植え付けていきます。土の表面は乾燥防止のため、ワラかポリフィルムなどで覆っておくとよいでしょう。
 植付後、発芽するまで1カ月以上かかります。その芽は非常に弱く、除草をする際、ちょっと触っただけでも「ポキっ」と折れるくらい繊細です。注意してください。


 ショウガは熱帯アジア原産で、強光、高温、多湿を好み、生育中期から土壌の栄養をどんどん吸収します。よって、雨が少ない場合は、液体肥料を1週間に1度の割合で与えると、乾燥防止と栄養補給が同時に行えます。お薦めはアグリオリジナル有機液肥「エコアース」。2リットルの水にキャップ1杯を入れた希釈液をタップリ灌水してください。なお、エコアースを使い切ったら、ボトルは処分せず、アグリに持参いただくと、中身だけ充填(じゅうてん)しますので、お得です。


 福岡の放生会開催時、葉がついた新ショウガが販売されていますが、なんとも言えない香りです。私は、秋に収穫した新米の炊きたて白ご飯とカブの間引き菜を浅漬けした漬物、それにおろした新ショウガを一緒に食べるのが、一番のぜいたくと思っています。何もおかずはいりません。「こりぁ~たまらん」。
 体の免疫力が高まり、「風邪やらひかんばい」「体のポカポカしてきた」。ショウガは季節の香りと元気な体づくりに欠かせません。
 お庭でちょっと栽培してみてはいかがですか。


(JA糸島経済部部長補佐、アグリマネージャー 古藤俊二)糸島新聞・2023年4月7日

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この記事を書いた人

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