昭和の糸島 #408

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海岸線の復旧工事完了へ 昭和35年9月

岐志漁港で釣りを楽しんでいる子どもたち

 昭和34年9月に糸島地方を襲った台風14号は、志摩村を中心に前原町の一部と二丈村の片山など村の西岸地区で、収穫を目前に控えた稲田に、倒伏や病害虫発生など大きな被害を与えた。

 このほか海岸線にも大きな被害があり、特に志摩村岐志から新町にかけての海岸線は、浸食が進んでいたのに加え、台風14号による高波被害を受けて、海岸沿いの県道近くまでが崩壊寸前となった。

 そのため国と志摩村は、すでに進めていた長さ640メートル、高さ2.6メートルのコンクリート製防波壁工事を急ピッチで行い、夏までにほぼ完成、年内にはすべて工事が完了する見通しとなった。総工費は約二千六百万円。地元の人たちは「これで高潮が来ても安心できる」と喜んだ。

 写真は、当時の岐志漁港の様子。釣りを楽しんでいる子どもたちの奥には、「岐志新町浦漁協水産荷捌(さばき)所」と書かれた大きな建物がある。また、漁協の建物の右側には花掛神社の二本の石柱や二基の石灯籠も写っている。

製防波壁工事の新聞記事
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