糸島市志摩稲留の農家吉松俊雄さんの畑で4日、JA糸島女性部のメンバーらが、形や生育がふぞろいのため畑にそのまま残されていたタマネギを回収し、市内で活動する子ども食堂などに寄付した。
5反の畑でタマネギを栽培する吉松さんは「皮をむくなど調整作業をしなければ規格外のタマネギは出荷できないが、次の畑の収穫もあり手間をかける余裕がない。形が悪くても味は同じ」。妻の美佐子さんが日頃から関わっているJA糸島女性部に声をかけ、フードバンクへ寄付することになった。
前日に、約1反の畑に残されたタマネギの収穫を孫4人が手伝い、当日は、届け先の「子ども食堂ほっこり」の代表笹渕隆広さんや地区部長らの5人で、コンテナに詰め、運び出した。
タマネギを引き抜き、サイズごとにより分ける作業を手伝った孫の辻小晴さん(9)は、「筋肉痛~」。「じいじと孫たちが1日がかりで頑張って引いてくれた。フードロスになるところを糸島の子どもたちに届けられてうれしい」と美佐子さんは頬をゆるめた。
タマネギは、市内で活動する「みんなの居場所」(篠原東)や九大の学生らへも届けられた。「糸島のネットワークだけでは使い切れないので、フードバンク福岡にも声をかけました」と日が落ちるまで作業したJA糸島の岡﨑伸子さんは息を弾ませた。