糸島市志摩桜井の二見ヶ浦で3日、大注連縄(おおしめなわ)掛神事が行われた。海中にそびえる夫婦岩にかかる大しめ縄が、櫻井神社の氏子らの手で新しいものに掛け替えられた。
長さ30メートル、重さ1トンにもなる大しめ縄は、氏子らが午前中にないあげた。浜で祭典を行い、潮が引いた昼過ぎを見計らい、受け付けた祈願書をないこんだ大しめ縄を担いで氏子らは海を渡った。高所での掛け替えの作業は「潮を見ながらの時間との勝負」。
高台や浜辺から観光客ら多くの人が見守る中、小1時間の作業は無事終わり、潮が満ち始めた磯を、太ももまで海につかりながら氏子らは安堵(あんど)の表情で浜に戻った。
今年初めて参加した臼杵優さん(18)は、熟練の技を間近にし、「楽しかったので、来年も参加したいです」と息を弾ませた。
浜辺の祭壇では「皆さんの日頃の行いのおかげで、最高の日和の中催行できた」と外山穰也宮司(76)があいさつ。恒例の餅まきはなかったが、神前に供えられた鏡餅が氏子衆に向かって投げられ、大きな餅が空を切り、にぎわいを添えた。
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