ドクター古藤の園芸塾Vol.24

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柿の実の病中害対策

 新緑が鮮やかなこの時期は、いろんな植物の生育旺盛な時期でもあり、野菜や草花、果樹などの育て方や病虫害対策などのご相談が多く寄せられます。


 その中で、5月になると毎年話題となるのが柿のお話。秋に収穫が楽しめる身近な果物。昔はどこの家庭でも、1本は柿が植えてあり、テレビアニメ「サザエさん」でも、柿はよく登場し身近な果物ですね。


 ところが、「去年は、あんまり柿のならんやったばってん、今年はたまがった~。いっぱい実のついとうってよろこんどったら、なんのよかろう。ぼっとんぼっとん実の落ちてくさ。がっぱしやもん」「柿の実の硬うなって、よ~と見たら親指で押したごとなって、なんか虫の吸うとうごたぁ~」


 ご相談の犯人はおおむね「カキノヘタムシガ」と「チャバネアオカメムシ」の仕業と推測されます。「カキノヘタムシガ」は柿のみ加害し、体長は約8ミリで黒褐色をしています。盛んに飛び回り、交尾などで夜明け前に活発に活動し、日中は葉裏でじっとしています。成虫の発生は年2回、5月と7月にみられ、幼虫はヘタ付近に食入し、近くには虫のふんの排出がみられます。被害果は落果するか樹上で乾枯します。

チャバネアオカメムシ


 対処として、有機的防除は確立されておらず、薬剤散布による防除が一般的です。対処剤は「アクタラ顆粒(かりゅう)水溶剤」2千倍希釈液を5月と7月に散布することで、防除効果が得られます。

アクタラ顆粒水溶剤


 「チャバネアオカメムシ」は成虫で越冬し、4月頃、気温が温かくなると動き出して餌を探索し始めます。5月にサクラの果実が結実すると果実に移動し、吸汁し、果実が成熟して落果するとスギやヒノキに移動し、7月にヒノキやスギの毬果(きゅうか)が結実すると産卵。


 幼虫はヒノキやスギの毬果を餌として成長し、産卵から約1ヵ月で成虫になります。成虫になると飛翔能力を獲得し、1日の平均飛翔能力は5キロメートルとも言われています。成虫はヒノキやスギの毬果を餌としていますが、毬果が劣化すると餌に適さず、新たな餌を求め、しかたなく柿や梨などの果樹園へと飛来していきます。

 夜行性で、特に日没後から1時間が最も飛び回り、日中は葉裏や果実と果実の隙間に隠れています。

 有機的防除では、クモ類やカマキリ類などの天敵の活動や、振動による行動抑制が研究されていますが、まだ、確立されていません。そこで、防除剤は、上記の「アクタラ顆粒水溶剤:100グラム入り970円(税込)」が防除効果が高く、7月散布で予防効果が得られます。なお、同封されています計量スプーンの小サイズ1杯につき、6リットルの水で薄めます。


 せっかく実をつけた柿の実が、害虫によって落果したり、硬くなったりするとがっかりしますね。私達が幼少の頃、擦り傷などのケガをすると「赤チン(マーキュロクロム液)を塗っとけば何でも治る」と処置されてた頃と同じで、私はピンポイントでの薬剤散布も大切ではないかと考えます。研究された薬剤の適正な使用であるからこそ、私たち身の回りの暮らしが維持できているのではないでしょうか。

(JA糸島経済部部長補佐、アグリマネージャー 古藤俊二)

※糸島新聞紙面で、最新の連載記事を掲載しています。

古藤俊二さん
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この記事を書いた人

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