お年寄りを地域で支え合おう

サポーター養成講座 知識や心得など学ぶ

 糸島市二丈の一貴山コミニティセンターで18日、市社会福祉協議会主催の「地域ささえあいサポーター養成講座」(連続3回)が開かれた。市内では少子高齢化が進み、65歳以上が4割を超す校区が四つもある中、より重要になっている「地域での支え合い」に必要な知識や心得、技術を3回を通して学び、サポーターとして活動する人材を育成する。
 団塊の世代が2025年、後期高齢者に突入し、介護などのニーズが急激に増加していくことから、地域住民による支え合い活動の理解を深めようと7年前から講座を実施している。


 この日、一貴山校区を中心に集まった参加者28人は、介護福祉士の講師大群千鶴さんから、日本や糸島市の高齢化の現状を学び、「生活支援、介護予防とは」について理解を深めた。


 高齢者1人を支える生産年齢人口(15~64歳)は、国内では17年に2・2人だったが、25年には1・9人になる予想。65年には1・3人まで減り、1人が1人を支える時代がくる。「40年後あなたは何歳ですか?大半の方は自分はもういないと思ってるでしょ?では、あなたのお子さんはやお孫さんは何歳ですか?」。大群さんの問いにざわめく参加者に「将来世代のため、今できることを今始めましょう」とハッパをかけた。


 社会全体で介護を負担する介護保険制度が2000年にできてから、保険料は当初の約3倍と増加の一途をたどる。「自分の介護が必要になったらどんな介護を望みますか」。18年版高齢社会白書のアンケートには「家族のサポートや介護サービスを受けながら自宅で」という回答が7割を超えた。会場からも「家族は迷惑だろうけれど、できれば自宅で」という声も。


 しかし、「高齢者」と呼ばれる65歳以上の人口3600万人の内、その8割は介護の必要のない元気な高齢者という事実も。同市では現在、生産年齢人口1・86人で高齢者を支えているが「数字にとらわれず、8割の元気な高齢者が、支える側に回ってください。人の役に立つと自分も元気になる。自分の介護予防にもなるんです」と大群さんは力を込めた。


 質疑応答の時間には、「介護認定の場になると急にシャキッとして普段の様子を見せない」、「一様ではない老化現象の認定方法に疑問を感じる」など、介護に向き合う現場でのとまどいなども聞かれた。次回は6月1日、認知症について学ぶ。


 同講座はこれまで、年間2カ所で開催しており、延べ470人が受講した。8月には、前原南コミュニティセンターで開催する。

講師の軽快な口調には会場は始終笑いが絶えなかった
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この記事を書いた人

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