【糸島】ドクター古藤の園芸塾Vol.30(6/30号掲載)

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カメムシの種類見極めを

 寒い冬には見ることもなかった、いろんな昆虫。この時期になると、私たちの身の回りでは、コバエやハエ、トンボにモンシロチョウなど、いろんな虫が飛び回っていますね。蚊などは人々にとって、不快害虫の一つですが、作物にとっても不快害虫はいるものです。


 「ピーマンの茎にびっしりカメムシのはびこっとる」「インゲンば収穫しよったら、インゲンと同じ色しとるカメムシがつがいで仲良~隠れとる」。


 被害としては、作物の体内汁を吸うことにより、実が変形したり、硬くなり食味が落ちたりと、プロの生産者は冗談では済まされず、対処に四苦八苦されています。


 カメムシは種類が多く、ボディーカラーも赤・緑・茶などカラフルで多様です。触ると特殊な分泌物を発し、その臭気は相当な物。別名「放屁虫・ヘヒリムシ」

ミナミアオカメの5齢幼虫
アオクサカメムシの交尾


 しかし、カメムシの仲間には、案外いいやつもいます。「アカシマサシガメ」のような肉食系のカメムシ類は、作物の生育に影響を及ぼす「アブラムシ」や「コナジラミ」など比較的小さな害虫を捕食してくれていますので、大切に見守ってあげたいカメムシ類です。


 一方、厄介なのが、チャバネアオカメムシなどの草食系。属種も多く、ピーマンなどの野菜のほか、柿や梨などの果樹類、エダマメなどの豆類など実が柔らかいタイミングを見計らって吸汁します。特に問題なのが現時点で効果的な有機防除が見出されていないことです。一部梨農園で黄色の照明を照射し、夜行性のカメムシの作物への飛来を防ぐなど、忌避効果はあるようですが、一般菜園での導入は難しいところです。さらに、温暖化の影響もあり、外来系の増加や生態活動期間も長くなり、個体数も増加傾向にあります。

ホオズキカメムシのピーマンの寄生状況


 私たちが作物をカメムシ類から守るためには、少しずつで構いませんので、肉食系か草食系のカメムシかを見極める必要があります。種類が多いカメムシですが、発生してからすぐ防除するのではなく、よく観察し、害虫を捕食しているか否かをしっかり見てください


 もし、果実の部位に寄生し、吸汁していましたら、このコーナーの5月19日号のカキノヘタムシガ対策で紹介させていただきました、研究に研究を重ねられた「アクタラ顆粒水溶剤」の規定倍率希釈液を散布し、難敵草食系カメムシ防除に役立ててください。

アクタラ顆粒水溶剤


 カマキリはこわもてで人にさえ威嚇ポーズをとりますが、アオムシなどの大型害虫を捕食してくれます。作物にとって有益な昆虫を温かく見守り、どうしようもない害虫は、ピンポイントでの薬剤対応。今後、さらに変種した、さまざまな病虫害の発生も予測され、それに対し、新たな防除方法も見い出されていくと思います。


 私も、土作りから緑を守ったり、糸島ならではの環境に配慮したり、自然に優しい園芸の模索を続けていきます。皆さん、一緒に取り組んでいきましょう。
(JA糸島経済部部長補佐、アグリマネージャー 古藤俊二

※糸島新聞紙面で、最新の連載記事を掲載しています。

古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

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