流木など漂着 海岸一帯に
糸島市二丈鹿家の姉子の浜に4日、枯れた竹やアシ、流木、プラスチックごみなどの漂着ごみが打ち上げられた。梅雨前線の停滞により降り続いた雨と満月の大潮が重なり、河川から海へ流れ込んだアシや竹が浜の上の方まで打ち上げられ、全長1・1キロメートルの海岸一帯に続いた。
国土交通省管轄の二丈パーキングに併設する糸島市観光協会二丈案内所の内田優子さんは「全国から訪れるお客さんや、夏休み観光シーズンを目前にこの状態のままでは」と同海岸を管轄する県福岡県土整備事務所前原支所に一報を入れた。鹿家行政区の宇治川富夫区長も「福吉校区内の六つの行政区が月1回の頻度で順番に海岸清掃を行っているが、今回のごみはおよそ人海戦術では手に負えない量」と声を落とした。
県と協定を結ぶ業者は「次に一番潮が高くなるのが19~20日、その後の状況で重機を使って処理するかどうか、県と話し合って検討する」と話した。
姉子の浜は、玄海国定公園鹿家海岸に広がる鳴き砂の砂浜として知られる。全国約30カ所に残る鳴き砂のなかでも、石英の粒子が0・3ミリと大きく、その含有量が84%も(70%以上が鳴き砂の定義)あるため「超一級の鳴き砂」ともいわれる。1998年には市(当時二丈町)の「天然記念物」に指定された。
内田さんは「普段は、地元の方をはじめ、サーファーやボランティアグループ、市の観光協会など皆でこの貴重な鳴き砂の浜を守っている。住民の力ではどうにもならない場合には、行政との協働の大切さを痛感した」と話した。