今年もおかえり、カメ子

食べやすいように小さくちぎった生ハムをパクパク食べるカメ子

 「一年ぶりだね、おかえり」。糸島市志摩小金丸の庄島安子さん(76)宅に、今年も「カメ子」がやってきた。


 愛称「カメ子」は、毎年7月から8月頃に庄島さんの家に現れる、ニホンイシガメのメス。勝手口や炊事場にやってきては、夕飯のご相伴にあずかり、かわいらしくぱくついて帰っていく。カメ子が現れて、今年で13年目。庄島さんと娘の博美さんは「いっぱい食べて帰りー」と、カメ子の再訪を喜んでいる。


 今年初めてカメ子が姿を見せたのは、7月26日の午後5時頃。家のそばを流れる小川からやってきて、網戸の破れを通り、勝手口に入ってきた。はじめカメ子は、じっと中をうかがうそぶり。家にあった生ハムなどを庄島さんが置くと、カメ子は少しずつ近づき、首を伸ばして次々と食べ始めた。
 「両手で餌を口に持っていって食べるしぐさが、かわいいですもんね。赤ちゃんがお母さんのおっぱいを押さえて飲む感じ」と、庄島さんは目を細める。


 2年前には、仲間のカメと連れだって来たこともあったが、今年現れたのは1匹だけ。庄島さんは「けそけそしとらん(落ち着いている)から、穏やかな性格のカメ子でしょうや」。


 3年前に亡くなった夫の敏雄さんも、カメ子のために餌を早くから準備したり、写真をたくさん撮ったりしてかわいがっていた。「仏壇のお父さんに、『今年もカメ子が来たよ』って報告しました」。夏に帰省する家族のように、カメ子は庄島家にとって大切な存在だ。

Youtubeでも動画を見ることができます。
(2) 糸島市志摩小金丸の庄島さん宅に今夏も来訪のカメ子 – YouTube

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

目次