街中に笑顔あふれる
戦後から続いてきたとされる前原山笠が7月25日、4年ぶりに復活した。前原、前原南校区にまたがる9行政区から、大人山笠が七つ、子ども山笠が九つ出て、大人400人、子ども420人が「わっしょいわっしょい」の掛け声とともに威勢よく街中を駆けた。
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前原山笠は24日に火伏地蔵、25日は老松神社に奉納されるが、25日のみの開催となった。午後2時30分、一堂に会した山笠は糸島警察署前を順次スタート。筑前前原駅前からは北上し、その後はそれぞれの行政区へ向かい町内を走った。道中5カ所に設けられた接待所では、水法被姿の舁(か)き手や子どもたちにお菓子やお酒、おつまみなどがふるまわれた。沿道からは勢い水が飛び、街中は笑顔にあふれた。
今年の当番町は南本町。「数年前にマンションが建ち、子どもが増えたため、子ども山笠にたくさんの親子が参加してくれた」。手作りの子どもみこしを引く綱には約40人の子どもたちが連なり、勢い水に驚いたり、友達とお菓子をつまんだりしながら、休憩をはさみ約2時間走り通した。
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老松町の持田惇治さん(89)は、復活した山笠の様子を法被姿で接待所から見守った。「今年は東京から孫がUターンし、3世代での参加」。息子と孫の締め込み姿に頬を緩ませた。
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前原山笠では、舁き手の担い手不足のため、近年、糸島高校運動部の男子に声をかけており「100人ほどという依頼に対し今年は150人くらいが手を挙げてくれた」。高校生や子どもたちは、接待所で休憩を取った後、「ありがとうございました!」と元気よくあいさつし、地元の人たちはあたたかな拍手で送り出した。
前原東町には日本文化語学院があり、そこに通う留学生が舁き手として山笠に参加している。今年は、ネパールからの学生28人が「ワッショイ!」と声を合わせ、「楽しいよ!」と日本の祭りを堪能した。
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前原山笠の実行委員長を務めた古川完一さん(80)は「3年中止にすると結構忘れていることもあり、ゼロから話さなければならないことも多く苦労があった。1日でもやれば来年につながる」と準備をすすめてきた。「ケガなく終わりほっとした。4年ぶりだったからか、例年より声も大きく気合が入っており、みんな楽しそうだった」と目を細めた。
夕方からは、筑前前原駅前のイリスロードや前原名店街を中心に露店が軒を並べ、待ちに待ったお祭りの復活に親子連れや中高生らが詰めかけた。小学生の娘と訪れた女性は「前原にこんなに中高生がいるったい」と目を丸くした。どの店にも長蛇の列ができ、まだ日が明るいうちに売り切れが出るお店もあり、会場周辺は大いににぎわった。
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