農民の尽くした遺徳しのぶ

宮崎安貞の生誕400年顕彰   ー女原集会所ー

 江戸時代前期の農学者で、わが国初の体系的農書「農業全書」を著した宮崎安貞(やすさだ)(1623-1697)の生誕400年顕彰祭が7月24日、福岡市西区の女原集会所で開かれた=写真。宮崎安貞翁顕彰会をはじめ、地元の関係者ら約90人が読経の後、焼香を上げ、農業を改善し農民の生活向上のために尽くした安貞の遺徳をしのんだ。


 安貞は広島藩士の家に生まれ、25歳の時、福岡藩に仕えて山林奉行の要職に就いた。しかし、30歳で職を辞し、農業先進地の畿内や中国地方を回り、栽培技術を習得。その後、自分の知行地だった女原に土着して農業に従事し、農民たちを導きながら湿地を開墾し、「宮崎開き」と呼ばれる田畑を造る偉業を成し遂げた。農業全書は、安貞が暇さえあれば旅に出て、老農の貴重な話を聞き取り、自身の農耕経験で得た知識も併せ、中国の農書を参考にして集大成した。


 顕彰祭では、顕彰会副会長の三島新利さんが講演。「安貞さんは武士の職を捨て、女原の農民のために一生懸命努力された。安貞さんの功績をしっかりと次の世代に伝えていきたい」と、地域の発展に尽力した先駆者の功績を引き継いでいく思いを語った。

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