秋冬野菜の適期適作を
今年の夏はなんとも暑いこと。水田畦畔(けいはん)の雑草は、普段は刈っても刈ってもすぐ生えてきますが、猛暑、高温乾燥が影響しているのですかね。さすがの雑草も伸びが悪いようです。農業を営むものにとって、雑草が伸びてこないのはありがたいし、助かりますが、逆にナスやピーマンなどの露地野菜の生育も過酷な状態で、なかなか実をつけてくれません。普段、栽培しやすい葉物野菜、今はお休み。直売所の売り場も野菜が減る時期ですね。
しかし、そうは言っても、農業暦では、8月8日は「立秋」、23日は「処暑」。9月8日は「白露」。秋冬野菜栽培にとって、暑いと言いながらもこの時期は栽培に最も重要な場面を迎えています。ことわざに「秋の1日、春の7日」は、8月の立秋を過ぎると日照時間がどんどん短くなるため、秋の作業遅れは、春の7日遅れに匹敵するという農家のことわざ。白菜の種まきが遅れると、結球しにくくなるように、適期に作業しないと十分な収穫が得ることができなくなるのが、秋冬野菜の難しさなのです。
例えば、ニンジン。ニンジンの種まき後、収穫までおおむね120日間を要します。12月中旬にカレーや肉じゃが用のニンジンを調達するのは、逆算すると8月中旬には、種をまく必要があります。ニンジンの種まきが遅くなると、収穫が遅くなるのではなく、生育後半の地温低下によって、あの美しい赤橙鮮色が生成されず、白っぽくなり、カロテン含量も低くなってしまいます。
台風や降雨など天候を考慮しつつ、秋冬野菜の適期適作を念頭に作業を進めてください。あくまで8月時点の糸島地方のケースですが、代表的な秋冬野菜の種まきの適期を中心に、栽培スケジュールと要点を表にまとめてみました。参考にしてみてください。
なお、当店の野菜、草花種子の品ぞろえは、豊富で糸島随一です。
ニンジンだけでも25種類以上の品種を取り揃えています。種子売場でスタッフが丁寧に品種の特性などをご説明いたします。気軽にお声かけください。
また、JA糸島アグリ店舗では、地域密着型店舗として、食品・生活用品コーナーでは、お盆用品など多数ご用意しております。ぜひ、お立ち寄りくださいませ。
◆ご案内 24日(木)午後1時から、伊都文化会館大ホールで、JA糸島女性部30周年記念式典が開催されます。イベントでは、小島よしお氏によるトークショーが予定され、楽しいひとときを一緒に過ごせる企画です。ちなみにトークショーのお相手を私が務めさせていただく予定ですので、たくさんのご来場お待ちしております。チケットのご購入など、詳しくはJA糸島食育研修センターいきいき=092(321)5080までお問い合わせくださいませ。
(JA糸島経済部部長補佐、アグリマネージャー 古藤俊二)
※糸島新聞紙面で、最新の連載記事を掲載しています。