地域住民「共助」で災害備え

和気あいあいと作業する地域住民

池田南行政区 発生リスク減へ河川清掃

 地域みんなの助け合いで災害に備えていこう-。瑞梅寺川(池田川)が流れる糸島市の池田南行政区では、住民参加による河川清掃を行い、水害発生のリスクを減らす活動をしている。台風シーズンが到来する中、住民が協力し合って地域を守る「共助」の取り組みを紹介する。


 7月10日未明からの集中豪雨で、池田南行政区に隣接する瑞梅寺川はオーバーフローする寸前まで水位が上昇した。「上流から石や大木が流れて来て堰(せき)とならなかったのが幸いで、もう20センチのところであふれ出すところだった。今までこんなに上がったのは見たことがない」。近所に住む住人らは身近に迫った危険への恐怖を語った。


 大水とともに運ばれてきたのは大量の枯れたアシやごみ類。美しい桜並木の景観を台無しにするように川のあちこちにひっかかっていた。水位が落ち着いた頃から、同行政区の役員数人が腰まで水に入り、アシを川岸まで運び寄せる作業を開始した。同30日には、地域住民にも声をかけ、川岸に寄せておいたごみを土手の上まで運び上げ、複数台のリヤカーで何度も往復し、40分程度の作業に汗を流した

ごみをひきあげる人、かき集める人、リヤカーで運ぶ人、と和気あいあいと作業する地域住民


 6年前から始めた年1回の河川清掃。「作業は短時間で効率よく。楽しく長く続けていくことを大事にしています。最初は役員だけで始めましたが、今日は87人が参加。徐々に増えてきました」。同行政区の福島春夫区長は汗をぬぐい笑顔を見せた。


 「美しくなった景観は見ていて気持ちがいいし、カモなど野鳥も増えた」「散歩コースなのできれいになってうれしい」「区長さんたちががんばっているからね」と活動に参加した地域住民らにも笑顔が広がった。

集まった大量のごみ。
近いうちに県に回収してもらう段取りをつけている
土手に上げたアシなどをリヤカーで運ぶ


 砂州の草きりをしたり、土手の草刈りをしたり、普段から手を入れる河川は災害を引き起こす可能性を軽減する。子どもたちのために夏祭りを企画するなど日頃から住民同士が顔見知りとなる機会を積極的に作る同行政区。近年の災害規模に油断のできないこの頃、共に助け合える関係作りを着々と進める。

セミ時雨の中、共に汗を流して
お土産を配って解散。
「お土産を準備するのも活動を長く楽しく続けるコツ」と福島さん
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この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

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