ママライターの『糸島で見ぃつけた!』 —故郷に思いはせ育てたバナナが5年目に結実—

 23年前、インドネシアから嫁いできたノサ・ハルマディアさん(47)=福岡市西区田尻=が庭で育てたバナナが、この夏初めて実をつけた。

庭のバナナとノサさん


 「故郷の景色が見たい」とこれまで何度も栽培を試みたが、枯れるなどしてうまく育たなかった。それでも諦めずに苗を植え、土を柔らかくしたり肥料を施したりと懸命に世話を続けて5年目、ついに花を咲かせたという。大きな楕円形の葉の下に並んだ小さな実をノサさんと眺めていると、「私もいつも楽しみに見とうよ」と近所の人が自宅の玄関先から笑顔を見せた。


 バナナの木を見ると自身の小さい頃を思い出すというノサさん。「雨の日は、傘代わりにと親がバナナの葉を切って持たせてくれた。遠い小学校まで、3、4人の友達と一枚の葉をかざして歩いたことも」。楽しげに話すノサさんの目が潤む。


 果実は4カ月ほどかけて大きくなるというが、これから気温が下がるため収穫は難しそうだとノサさん。実を収穫できなくても、庭にたたずむバナナの木は、いつもノサさんに大好きなふるさとの風景を見せてくれる。

ママトコラボ取材班 榮 鮎子

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

目次