昭和の糸島#431

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糸島各地で綿羊飼育   昭和29年5月

 戦後の昭和20年代から30年代にかけて、糸島各地では綿羊の飼育が盛んに行われていた。


 当時、糸島地区内では桜野村の野北牧場や可也村での飼育が最大規模であったが、怡土村でも昭和29年に村の五カ年計画に沿って福島県伊達郡から優良綿羊120頭を導入し、一大生産地を目指していた。


 綿羊は冬場に寒さをしのぐために毛を長く伸ばしており、飼育している人や専門家らによって四月ごろから五月中旬にかけて羊毛刈りが行われる。郡内の各飼育地で刈り取られた羊毛は、糸島郡めん羊組合に集められ、前原町のほか、長崎県島原市の九州毛織会社や鐘紡などにも出荷されていた。


 写真は怡土村での羊毛の刈り取り作業の様子である。田んぼに敷いた筵(むしろ)の上に綿羊を横にして、一頭ずつ手際よく専門家の手できれいに刈り取っていく。作業している人の周りには、おとなしく順番を待つ綿羊、座って珍しそうに眺めている子どもたち、また作業を見守る大人たちの姿がある。

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