コラム まち角

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 美味(おい)しく食べて竹林整備-。全国約120の個人・団体とつながり、竹を資源化する取り組みをしている純国産メンマプロジェクトが糸島市でサミットを催し、今週号の本紙で取り上げている。取り損ねのタケノコは価値がなく、蹴飛ばしたり、たたき折ったりと、厄介もの扱いにされてきた。プロジェクトはそれを「もったいない」の発想で、メンマにして利活用している▼「レモンを手に入れたらレモネードをつくれ」。サミットで講演を聞いていると、世界的なロングセラー、D・カーネギー著「道は開ける」に出てくる名言を思い出した。シカゴ大学の総長が悩みから逃れる方法として、この言葉を実行したというのだ▼「レモン」という言葉には、不快なものという意味がある。愚かな人は、人生の贈り物がレモンだと知ると「私は負けた」とあきらめ顔になり、世間に文句をつけ、自身に哀れみを感じる。一方、賢い人はこう自問するという。「どうしたら周囲の状況がよくなるであろう? どうすればこのレモンをレモネードに変えられるだろうか」▼人間には「マイナスをプラスに変える」能力があるのだと、この本は教える。栄えているのはガラガラヘビという、やせた農地を手に入れた農民の話も出てくる。奇想天外にも、農民はガラガラヘビの肉を詰めた缶詰をつくり、愛好者のもとに出荷する。負債を資産に転換したのである▼放置すると、地下茎を伸ばし周辺に侵入拡大していく竹薮。だが、不要な竹の発生を抑えようと利活用すると、竹山は地域コミュニティーに持続性をもたらす収益を生み出し「宝の山」になる。現状の中に有益なものを見つける。この姿勢を大切にしたい。

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1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

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