【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》

まち角アイキャッチ

 60歳を過ぎ、大学時代に同じゼミで学んだ同級生と飲み交わす機会が急に増えた。京都にある大学出身のため、九州で暮らす同級生は9人のうち2人のみ。遠方の同級生とはこれまで年賀状のやりとりだけだったが、再雇用で働く同級生から「出張で福岡に来たから一緒に飲もう」、中国地方の同級生からは「広島でミニ同窓会をやるよ」と声がかかる▼卒業以来の久々の再会となった同級生もいる。みな、学生時代になかった貫禄をにじませ、余裕のある表情を見ていると、ほっとさせられる。出世競争などはとっくの昔に終わり、今はラグビーでいうノーサイド(試合終了)。勝者も敗者もなく、これまでの人生の健闘をたたえ合う。こんな飲み会だ▼ただ、こうして集まるようになったのは、もう一つ、わけがあると思う。あらためて、生きがい探しをしないといけない節目を迎えているのだ。再雇用されても組織の中で立場が変わったり、古巣を離れて経験のない職種についたりと、多くの人に大きな人生の変化が現れるのが60歳だ。いろんな人の生き方に学びを得たいという気持ちになる▼「IKIGAI」という言葉が世界で通用するようになったという。日本人は「生きがい」を見つけて暮らすから、健康に歳を重ねられる。日本人の長寿の秘けつをこう見抜いた「IKIGAI」という題の本が欧州で広く読まれ、この言葉が知れ渡った▼この本は「好き」「得意」「稼げる」「必要とされる」という構成要素からなる四つの円を描いた図を示す。四つすべてが重なるところが「生きがい」だという。構成要素に思いを巡らせながら、新たな生きがい探しをしている。

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