スターナイン
清涼飲料水製造を手がける九星飲料の関連会社スターナイン(仲原孝志社長・糸島市波多江)が今年9月、糸島原産の柑橘(かんきつ)「はるか」のエキスを使った炭酸飲料「糸島はるかの炭酸水」を発売開始した。はるかの果実エキスと糸島の水を使い糸島の工場で製造、と100パーセント糸島産にこだわった。はるかの爽やかな香りがする無糖の炭酸水で、気分転換時や食事のお供にも向く。
大手小売店を中心に販売してきたスターナインとしては「自分たちの手で原料を探し、商品開発をした初の商品」。開発担当として奔走した石田卓也さん(49)は、日向夏と甘夏柑の自然交配で生まれた品種のはるかを発見し、生産している二丈福吉の石井孝徳さんのところへ何度か足を運んだ。「最初は半信半疑だった石井さんに『本当にやってくれたんだね』と喜んでもらえた」と、地域に根差した商品開発の醍醐味を語った。
販売は市内をメインとしており「最初どこでどうやって販売するか手探りだった」と販売担当の中島啓太さん(43)は振り返る。縁のあった地元企業にアドバイスをもらいながら販路を徐々に開拓。現在、市内のコンビニやゴルフ場、伊都菜彩や市観光協会など多くの店舗で取り扱っている。来年2月に予定される糸島グルメ感謝祭(糸島市食品産業クラスター協議会主催)に出店し、地元の人に知ってもらえる機会とする。
石井さんは「農産物の加工は設備投資など簡単ではない中、かたちが悪くて出荷できなかったものを無駄なく活用でき、はるかの名が広がるのがうれしい」といとおし気にはるかを見つめた。