【糸島市】糸島農高の繁殖雌牛が3席

県肉用種牛共進会で快挙

 県内の農家らが繁殖雌牛を出品し、その飼育技術や肥育状況などを競う第4回「県肉用種牛共進会」(11月11日、筑紫野市)の17~20カ月齢の若雌第2区で、糸島市の糸島農業高校から出品した「やすりよ号」が3席に選ばれた。高校生が育てた牛が受賞するのは、「全国的にもめったにない快挙」(大会関係者)という。

やすりよ号と、引き手を務めた佐熊さん(左)と北川さん

 大会では、全体的な肉づきや胸の深み、体の長さなどトータルで審査。審査員からは「発育良好で、各部位のバランスがすぐれている。順調に飼育した、努力のたまもの」と高く評価された。

 やすりよ号は、同校の動植物活用科・動物活用コースが、授業の一環で飼育している繁殖牛。毎朝のエサやりは、2年生の生徒28人が交代で担当。大会での引き手は、北川來夢(らむ)さん佐熊安莉(あんり)さんが務めた。

 2人は大会に向けて、毛並みを整えるためのブラッシングをしたり、牛ふんの掃除をしたりと、毎日のお世話をした。

 学校で飼育する牛の中で、やすりよ号は「一番静かで、穏やかな性格」という。北川さんは「牛の表情で気持ちが伝わる。うれしい時やなでてほしい時などは分かります」と話す。

 大会で育成の成果をアピールするために、牛を姿勢よく立たせるよう調教の練習も重ねた。「特に難しかったのは、声掛けをして引く練習。自分たちの力が足りず、引いても最初はなかなか動かなかった」。「まえ」や「とまれ」といった声掛けを毎日続け、1週間ほどでコミュニケーションが取れ始めたという。

 「自分の声掛けでちゃんと動いてくれるとうれしい。心が通った感じがした」と、佐熊さん。2人とも将来は、「繁殖農家を目指したい」と口をそろえる。

 指導を担当した、同校の松永治子教諭は「ただかわいい、楽しいだけではない、畜産の大変さや厳しさがある中で、しっかり牛と向き合って飼育できた経験は自信につながったと思う」と語った。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

目次