コラム まち角

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「あなたが車を一台持っていて、一生その車にしか乗れないと仮定しよう」。米国の著名な投資家、ウォーレン・バフェットさんがこんなふうに切り出した言葉がある。「バフェットの教訓」(メアリー・バフェット、デビッド・クラーク著、徳間書店)に収録され、世界有数の大富豪が口にした深みのある言葉として語られるのを耳にした人もいるだろう▼「当然、あなたは大切に取り扱おうとするだろう。必要以上にオイル交換をしたり、慎重な運転を心がけたり」。そして、これがたとえ話であることを明かす。「ここで考えてほしいのは、あなたが一生にひとつの心とひとつの体しか持てないということだ」。何よりも大切なのは、自分の心と体。当たり前のことだが、バフェットさんがあえてこう語るほど、自分を大事に扱うのが最優先であることを忘れている人は多い▼この本では、こんな言葉も取り上げる。「いくら金を持っていても、愛情や健康を買うことはできない」。幸せに暮らしていくには、金銭的な満足を得るよりも、人間の生理的な「三大欲求」をバランスよく満たしていくことがはるかに重要だと思う▼仕事に追われている時、おいしいものが食べたい「食欲」をおざなりにし、適当に食事を済ませていませんか。デスクでうつらうつらとしているのに「睡眠欲」を抑え込み「まだまだ」と頑張っていませんか。そして、愛する家族と共に過ごす時間を犠牲にしてまで働き続けていませんか▼ただ、バフェットさんについて調べると、一般には健康的とは考えられていない食習慣がある。実は、甘い炭酸水やお菓子が大好きなのだという。だが、93歳になっても世界的に注目を集める投資家として活躍している。思いのまま自由でいることが、バフェットさんにとって、心と体のための「オイル交換」となっているのかもしれない。

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