【糸島市】新庁舎で初の防災訓練

糸島市が豪雨災害を想定

 糸島市は13日、新庁舎で初めてとなる防災訓練を行った。豪雨災害を想定し、市民からの通報や気象情報を基に収集した情報を分析。災害対策本部会議で意思決定を行い、住民への避難指示など、各災害ステージに応じた迅速で的確な対応ができるよう、情報の共有・伝達のポイントや指示・命令系統などを確認した。

110インチのモニターの使い方を説明する市危機管理課の職員
豪雨災害を想定し、災害対策本部会議を開いた

 今年1月に開庁した新庁舎は、災害発生時に防災拠点として庁舎機能を維持できるよう、免震構造を備えるなど高い耐震性と安全性を誇っている。

 また災害対策本部となる庁議室と市危機管理課の間にある会議室のパーティションは、万が一のときに移動することで、災害対応室として一体的に使えるよう工夫されている。

 当日は、午前中に4画面に分割できる110インチの大型スクリーンなど、同課職員が新しくなった設備の使い方を説明。

 午後からの訓練には、市や市消防本部、市消防団、糸島署、陸上自衛隊第19普通科連隊など約60人が参加。梅雨前線の停滞により糸島市に大雨洪水警報が発表され、瑞梅寺川が氾濫危険水位に到達したと想定。

 警戒レベル4となったのを受けて同川流域の波多江・東風両校区に避難指示を発令。月形祐二市長を本部長とする災害対策本部を立ち上げた時点から訓練をスタートさせた。気象状況や市民の通報などから情報を収集・把握。大型モニターなど新庁舎の災害対応機能を活用して得た情報を共有し、方針を協議。

 「速やかな意思決定と的確な対策を講ずることができるか」や、「各対策部や運営室が警戒レベルの上昇や切迫した被害状況に適切に対応し続けられるか」の2点をポイントに、今年は土砂災害や河川の越水、ため池の溢水(いっすい)による被害想定を追加した。

 職員は市民の通報に応対する電話対応班、ネットから気象情報を集める情報収集班、被害状況や現地での活動状況を取りまとめる情報整理班、避難指示などを市民に伝える情報伝達班、被害情報に応じた災害対策などについて本部長の意思決定を補佐する総括班の6つの運営班に分かれ、刻々と変化する災害の状況に対処。

 警戒レベル5相当の「災害切迫」まで事態が悪化し、災害対策本部会議で各対策部から公共施設や学校などの被害状況やインフラなどの復旧作業の進ちょく状況、消防などの活動状況を本部長である月形祐二市長に報告。対象地域に避難指示や緊急安全確保などの避難情報を発令するとともに、自衛隊に災害派遣を要請し、訓練を終了した。

 月形市長は「我々の使命である『市民の生命と財産を守る』ため、平常時の業務の延長として災害対応を位置づけ、普段から災害発生を想定して、常に危機感を持って業務にあたるように」と訓示した。

 また22、23日には市職員による避難所開設や運営手順、備蓄物資の確認のほか、ハイブリッド車などによる停電時の給電要領の確認などの訓練を行う予定。

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