昭栄化学工業が落成式、雇用増期待
電子材料メーカーの昭栄化学工業(本社・東京)は15日、次世代ディスプレー技術の核心的素材として注目される発光材料「量子ドット」の開発・生産を行う糸島リサーチパーク(糸島市東)内の新工場「糸島事業所」完成を記念し、落成式を開いた。
量子ドットとは、2~10ナノメートル(ナノは100万分の1ミリ)の半導体ナノ粒子で、光を当てると発光する。粒子の大きさの違いによって色が緑や赤に変化する特性があり、省電力でより明るく、精細な映像表現ができる上、低コストで生産できることから有機ELに代わる技術として期待されている。
新工場は、敷地面積約14,600平方メートル。式典には関係者ら約100人が出席し、浅田修一郎社長は「世界から注目される量子ドット技術をさらに発展させていきたい」とあいさつ。福岡県の江口勝副知事は「今回の糸島事業所の建設によって新たな雇用が生まれ、地域経済の活性化に貢献いただけるように大いに期待している」と述べた。
浅田社長や江口副知事、月形祐二市長ら5人によるテープカットの後、参加者は原子まで見える透過電子顕微鏡や量子ドットの生産ラインなど、新工場の設備を見学した。