糸島市が見直し 予防支援奏功か 2024~26年
介護保険料の3年に1度の見直しが行われ、糸島市の65歳以上の高齢者が納める保険料の基準額が前期(2021~23年)より210円少ない5,600円となった。厚生労働省によると、全国の基準額は6,225円(211円増額)、県平均は6,295円(217円増額)となっている。
高齢化率(23年度)は30・1%と県平均(28%)より高く、緩やかに増加している中、これまで積み立てていた「介護給付費準備基金」を取り崩したことに加え、介護予防の取り組みで元気な高齢者が増えたことが奏功し引き下げにつながった。市の担当者は「一概には言えないが、運動をしたり畑仕事をしたりなどそれぞれが生きがいを持って介護予防に取り組まれてきた努力のたまもの」と話した。
介護保険は、国や都道府県、市区町村が負担する公費(税金)半分と、65歳以上の人の保険料23%、40~64歳の人の保険料27%を財源として運営され、社会全体で支える制度。65歳以上の高齢者の保険料は3年に1度、今後介護が必要になる人数を予測して、各市町村や広域連合が見直す。
市では21~23年度に九州大学と連携し、介護が必要になる一歩手前のフレイル(加齢によって心身が老い衰え、社会とのつながりが減少した状態)予防の取り組みや、身近な場所で自主的に開催する住民主体の事業も推進しており「フレイル、介護予防に対する意識が浸透してきた」。
要介護認定率は、約15%と横ばいが続くが、25年には団塊の世代が全員75歳以上となる。一人一人が介護予防に対する自覚を持つことが保険料の動向を左右する鍵となる。