【糸島市】求人紹介サービスのタイミーと糸島市協定

多様な人材 活躍できる場を

 糸島市は13日、スマートフォン向けアプリによる求人・仕事紹介サービスを展開するタイミー(東京)と、スポットワークを通じた人材確保に関する連携協定を締結した。同社と協定を結ぶのは、関西以西の自治体では初めて。月形祐二市長は「糸島市は新しい時代の流れを力に、多様な人材の活躍を促進することを総合戦略の一環として掲げている。今回の連携は、この戦略を実現するための大きな推進力になると確信している」と期待を込めた。

潜在労働力の掘り起こしを目指し、糸島市とタイミーが協定締結

働ける時間でマッチング

 同社のアプリ「タイミー」は、短時間のアルバイトを紹介しており、すぐに働ける仕事を探している人と、急な人手不足を解消したい企業との橋渡しを行っている。

 アプリを使うことで、面接や履歴書なしで働け、給料が即日支払われるのが特徴。アプリを利用する働き手(ワーカー)は全国で700万人を超え、利用する企業は9,800社(いずれも2月現在)あり、国内ナンバーワン。

 市はこれまでも、正社員雇用に向けた就職面談会の開催や就職支援サイトの運営のほか、市商工会も仕事の効率化につなげるため、デジタル化に取り組む商工業者を応援する「DXサロン」を開催してきた。

 しかし市内の中小企業者を対象に、2021年に行った実態調査では、「人が不足しているが、募集しても集まらない」との回答が27.8%と、最も多かった。

 市内事業者のうち従業員5人以下は全体の約65%、20人以下まで含めると89.61%を占め、市商工振興課は「従業員が急に休むことで、臨時休業に追い込まれたり、営業時間を短縮したりするケースもある」と説明。少子化による生産年齢人口の減少が進む中、働き手の確保が喫緊の課題となっている。

 同社との連携協定の締結により、市はタイミーの活用を進める広報活動や、企業や働き手向けのセミナーの開催を予定。

 まずは商工業を中心に利用者を増やし、求人ニーズが高い一次産業や医療・介護、幼稚園・保育園などへ広げ、「急な人材不足や繁忙期にタイミーを活用し、急な営業停止を回避するとともに、固定アルバイトや正社員登用への道が開ければ」(同課)と展望を描いている。

 協定締結式に臨んだ同社の石橋孝宜・スポットワーク研究所所長は、人口10万人規模の糸島市で、同社のサービスが受け入れられるには「糸島市の事業者の皆さまから提供される仕事の数と、それに見合うワーカーさまの数のバランスを取ることが重要。事業者の皆さまとの連携を密にし、どのような仕事を募集するのか、どのようなスキルが必要かを明確にし、適切な募集内容を設定することが必要になってくる」とし、「働ける時間を細切れにすることで、働きやすくなる方々がたくさんいらっしゃることを理解していただきたい。新しいサービスの導入には、地場の中小企業の皆さまと市の協力が不可欠。ぜひ市の皆さまと力を合わせ、広めていきたい」とあいさつ。

 さらに、学生や子育て世代、シニア層など、地域の潜在労働力の掘り起こし▽関東などから人材を呼び込み、糸島市で1週間働きながら観光を楽しむプログラムの提供▽若者が地元で働くことの喜びや意義を感じ、人口流出を防ぐきっかけになる-など利点を挙げた。

 月形市長は「今回の協定により新しい働き方を推進し、多くの人々が自分の求める働き方を見つけ、地域で活躍していただける環境を整えたい」と語った。

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この記事を書いた人

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