子どもらが「深江の川祭り」
海や川遊びの安全を子どもたちが自ら祈願する伝統行事「深江の川祭り」(県無形民俗文化財)が7日、糸島市二丈深江の深江海岸で開かれた。
川祭りは江戸時代から続く行事。深江地区の子どもや住民たちが脈々と受け継いでいる。
この日は、夜も明けきらぬ午前4時ごろから、前日に伐り出した竹を海岸に運んだ。10メートルを超す竹4本を大人たちが砂浜に次々と立ち上げて祭壇作り。子どもたちも砂を固めるための海水をバケツにくんで手伝っていた。各行政区の祭壇が完成すると、鎮懐石八幡宮と深江神社の宮司が安全を祈願して回った。
この日のために、竹につるす短冊やお守りを作って準備を進めてきた子どもたち。竹に短冊を飾り付けていた山村ひよりさん(10)と樺田望さん(11)は「前日に公民館に集まってカレーを作って食べるのも楽しみの一つ」と笑顔だった。
神事が終わると、子どもたちは引き倒した竹を持って、ようやく海に入れたと大はしゃぎ。祭りに参加した中尾有里さん(11)と下田紬喜さん(11)は「冷たかったけれど、海はとっても気持ちよかった。これから始まる夏が楽しみ」と声を弾ませていた。
(地域特派員・平田紀子)