ごま豆腐&おむすびはいかが
「おむすびころりん」前原東にオープン
ぷるるんとした食感に濃厚なゴマが香るごま豆腐と、一つ一つ丁寧に握ったおにぎりのお店「おむすびころりん」が、糸島市前原東にオープンした。
ごま豆腐を作り続けて27年。タコ飯、雑穀ご飯などと一緒に伊都彩菜などに卸す馬渡誠さん(72)が、「いつかおにぎりのお店を」とあたためていた思いを5月に実現した。
おにぎりの具材は、定番の梅、椎茸(しいたけ)昆布などに加え、煮卵、青唐辛子、タコ、ベーコンと変わり種をそろえる。また、ごま豆腐の技術を生かして作ったあまおう味のわらび餅も並べる。柔かすぎず、弾力ある食感で、甘酸っぱいイチゴの味わいが口中に広がる。「独特な食感を引き出すため火加減をあれこれ試しているうちに、銅鍋を1つ壊してしまった」と頭をかくが「ごま豆腐で究めた練り加減を生かした」と会心の出来だ。
もう一つこだわるものがある。白地に草花の絵をあしらったオリジナルの紙袋。リンドウ、ヤマブキ、ツユクサなど店内のあちこちにも飾られる絵は、長崎県壱岐市でギャラリーを開く弟の作品。「この紙袋に商品を入れてもらい、持つ人の気持ちが明るくなればうれしい」と破顔する。
同市で生まれ育った馬渡さんは、母が漁業の傍らゴマを栽培し、ごま豆腐を販売していたのを小学生の頃から手伝っていた。「母がゴマをするすり鉢を押さえるのが僕の仕事だった。あれから数えたらごま豆腐と共に60年です」とほほ笑む。
11日からはおにぎり弁当を販売し、イートインを開始。秋までには、くつろげる飲食店へと進化させる予定だ。母からバトンをつないだごま豆腐。そこに新たな彩りを加えながら挑戦を続ける。
おむすびころりん
営業時間 午前10時〜午後5時まで(売り切れ次第終了)
定休日 火曜、水曜日
問い合わせ 090(4583)7773