【糸島市】創造的教育方法の授業公開

糸高3年目のプロジェクト

 糸島高校(三宅竜哉校長)が文部科学省の研究指定校として取り組んでいるICT(情報通信技術)を活用した創造的教育方法実践プログラムの公開授業が同高で行われた。生徒自らが主体的に学びに向かい、自己実現のための能力を身につける教育方法の研究開発が目的で、同高では最終となる3年目の取り組み。

 公開授業は6月19日、県教委職員や、運営指導委員を務める大学の研究者、糸高コンソーシアム委員の行政、民間企業関係者らが参加し、本年度の事業説明会と併せて実施。韓国の二つの高校とオンラインを使った研究や交流活動をするほか、インターネットを通じたeラーニングの導入による学習状況・学力の変化を研究するなどの取り組みが説明された。

 公開授業は、六つの教科で行い、オンラインを活用した教科等横断型のカリキュラムもあった。理系のクラスで行われた論理国語の科目では評論文「リスク社会とは何か」(大澤真幸著)を主題として、先行きが不透明で予測が困難な時代の中、原子力発電という具体的な問題を取り上げ、自らの生き方を考えさせる流れの授業を行った。同時双方向型で専門家に原子力発電に関する講義を受けた後、政治経済に視点を広げた話も教師から聞き、生徒たちは正確な情報収集や状況を客観的にとらえる大切さを学んだ。

糸島高校で公開されたオンラインを活用した授業

 公開授業の後、参加者と同高担当者、生徒の質疑応答の場も設けられた。論理国語の授業については、運営指導委員が「考えを深めるために、もっと本を読みたくなりましたか」と質問すると、生徒は「再生可能エネルギーについて、さらに調べてみたくなった」と返答。また、ほかの運営指導委員からは「専門家に新しいことを学ぶ授業スタイルは大学の授業に近かった」と評価する声もあった。

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