地域あげ打ち上げ花火
糸島市志摩の可也小学校で19日、創立150周年記念事業として花火を打ち上げた。
校内には夕方から、PTAブースやキッチンカーなどが並び、トラックを使った特設ステージでは、ラムネ早飲み競争や、可也小児童や卒業生らのパフォーマンスがあり、お祝いムードを盛り上げた。昨年同小を卒業した志摩中1年のSAYAさんは、地域の知り合いを前にのびやかな歌声を披露した。運動場をぐるりと囲んで配置されたキッチンカー約20店舗はどこも長蛇の列。中学、高校生になったOBたちは「久しぶりに小学校に入った」と小学校時代を懐かしみ、旧友を見つけては再会を喜んだ。日が暮れる頃には、運動場にはあふれるほどの地域住民が集まり、校舎の上にあがる花火を笑顔で見上げた。
1874(明治7)年に波津小学校として開校、可也尋常小学校、可也小と改称しながら、歴史を刻んできた。区長会や学校運営協議会、PTAOBなどが中心となって発足した150周年記念事業委員会(樗木弘道委員長)が検討を重ね、「可也小を卒業した可也校区に住むおじいちゃんおばあちゃんやみんなが家からでも楽しめるものを。すでに旅立った諸先輩方の御霊に感謝を込めて、花火を打ち上げよう」と準備に奔走した。
PTAの役員らが校区内にある100以上の企業やお店に、協賛のお願いに回り、個人からの寄付は学校やコミュニティセンターで受け付けた。「 150周年だから150発は打ち上げたい…」との思いが大きく実り、同校区住民の熱い思いは、約250発の花火が準備出来るほど集まった。
当日は準備中に2回の激しいにわか雨、とハプニングもあったが「子どもたちのために」との思いで、地域とPTAとが一丸となり、大盛況で幕を閉じた。
PTA会長の坂田和之さん(45)は「子どもたちの記憶に残る事業になり、『50年後の200周年はよろしく』とバトンを渡せたかな」と汗をぬぐった。151年目を踏み出す同小の三宅孝一校長は「学校はあったかいところということと、自分たちが育つ可也校区に誇りを持てる子どもたちをこれからも育てていきたい」と思いを語った。