糸島郡水平社創立100周年記念講演会
「糸島郡水平社」が創立して昨年で100周年を迎えたのを受け、記念講演会が22日、糸島市前原東の人権センターで行われた。
1922(大正11)年、部落差別の根絶を目指して当事者たちが立ち上がり、全国水平社が京都で創立。日本各地へ解放運動が広がる中、糸島では翌23年9月13日に「糸島郡水平社」が創立した。
開会にあたり、部落解放同盟糸島市協議会の山田一郎委員長は「水平社の誕生は、自らの運動によって部落解放を勝ち取るという崇高な運動だった。差別が存在する限り、今を生きる私たちは偉大な先人たちの思いを忘れず、つなげていかなければならない」と力強くあいさつした。
続いて、部落解放同盟福岡県連合会執行委員長の組坂繁之さんが「糸島の水平社100周年に想う」をテーマに記念講演を行った。
不当極まりない部落差別をなくそうと、全九州水平社を創立し「解放の父」と言われた松本治一郎さんらの活動に触れ「部落の完全解放を目指して、最後の血の一滴まで戦う覚悟でおられた。私たちも連帯して、活動を継承発展させていくことが大事」と語った。
またイスラエルによるガザへの軍事侵攻など、世界で起こる戦争について「戦争は最大の差別であり、人権侵害に他ならない。世界全体で水平運動を目指し、本当の意味で民主的にならなければならない」と述べ、「人権なくして平和なし」と強調した。