【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》たったの15分、されど15分

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 朝の時間の慌ただしさがより増してきた。9月末に始まった朝の連続テレビ小説「おむすび」。糸島が舞台となっているだけに毎朝、NHK BSで、糸島のどんな風景が登場したのか見届けて通勤している。ただ、ドラマを見ている間がなんとも忙しい▼歯ブラシをせわしく動かしながら画面と向き合い、ドラマの展開を気にしながら洗面所に行って口をゆすぎ、テレビの前に戻ると、今度は朝食。いつもの薬も忘れずに飲まないといけない。少し早起きすれば、こんなことにならなくて済むのだろうが、ともかく、こんな朝を過ごすことで、限られた時間の使い方について考えるきっかけができた▼朝ドラの放送時間。たったの15分、されど15分-。調べてみると、15分は短い時間のようだが、とても有効に活用できるという専門家の指摘がある。職場で試してみたいのが昼休み中の仮眠。米国の社会心理学者ジェームス・マースは、15分~30分の短時間の仮眠で、集中力や認知力が向上する「パワーナップ」を提唱した。国内でも経営の一環として取り入れ、仮眠室を設けた企業がある▼学習面でも15分という時間を重視する専門家がいる。机に向かって勉強する場合、集中できる時間は15分以内という見方がある。中高生向け通信講座などの事業を手掛ける企業では、15分単位で小さく分けて学習することを勧めている。短時間に集中した勉強の積み上げで、学習効果が高まるのだという▼個人的に印象に残る15分は、鹿児島県庁で働く知人からかつて聞いた話。「鹿児島湾の向こうに、桜島を眺めながら歩けるんだよ。最高の昼休み」。世界的な絶景が広がる中で散歩のできる堤防が県庁近くにあり、昼食後の隙間時間に、そこでぜいたくな時を過ごしているという。15分を意識して行動すると、生活に思わぬ面白みが生まれるのではないか。まずは朝ドラの15分に、集中してみよう。

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