22年続く「あいちゃん弁当」
糸島市志摩新町で牛原愛子さん(71)が営む「あいちゃん弁当」。色とりどりのおかずの弁当が長年愛されている。
祖母に教わり、中学生の頃から忙しい母に代わって家族の食事や弁当を作ってきた牛原さんは「料理が好きで楽しかった」と振り返る。子どもの高校卒業のタイミングで「好きなことをしてみよう」と、22年前に始めたのが「あいちゃん弁当」だ。
当初から大切にしているのは、できるだけ国産や地元産の材料で作ること。「体に良いものを食べてほしい」との思いから、揚げ油や塩など調味料にもこだわる。
学生時代の友人が「おかずのいっぱい入っとったよね」と思い出すほど、当時からいろいろなおかずが食べられるお弁当が大好き。「前日に仕込みはするけど、その日のひらめきで作ることが多いかな。食べて楽しいと思うものをイメージしながら作るんです」と笑う。
8月末には、体調を理由に約13年続いた委託先の注文を辞めることに。残念ではあったが、お客さんから受け取った手紙の「昼食が最高の時間でした」などの言葉に、「とてもうれしかった」と目を細めた。
「ここの弁当じゃないと外食できん」と言ってくれる常連さんもいる。「喜んでもらえることが原動力。毎日反省して、よりおいしくなるように考えています」。これからもあいちゃん弁当の進化は続く。
(ママトコラボ取材班 牧野登志江)