「SVIまちづくり学校2024」開校
最新の生成AI(人工知能)技術や、まちづくりについて学ぶ「SVIまちづくり学校2024」が13日、開校した。主催は、九州大伊都キャンパスの西側(糸島市志摩馬場、約60ヘクタール)で、生成AIを活用した学術研究都市「糸島サイエンス・ヴィレッジ(SVI)」の実現に取り組むイトシマ株式会社(平野友康社長)。同日、糸島市役所市民ホールで開かれた入学式で、同校の平野校長はリモート参加を含む計90人の受講生を前に、「AIの発展が社会や教育など、あらゆる面で大きな変革をもらたす時代において最も重要なのは、糸島のような地方都市が魅力的なまちとして発展していくこと。糸島は地方創生の、世界のモデルケースになり得る可能性を秘めているが、その実現にはまち全体で取り組むことが必要であり、最も重要」と強調した。
市はSVIを第2次長期総合計画の重点課題プロジェクトと位置付け、産学金官で組織する一般社団法人SVI推進協議会が23年、「SVIまちづくり構想」を策定した。
構想に沿った民間主導のまちづくりを進める事業主体となるイトシマ株式会社は、今年6月に発足。市、同協議会、同社の三者は同7月、構想の実現に向け、連携協定を締結している。
入学式後のオリエンテーションで、平野校長は同構想について「変化が早い社会情勢に合わせて柔軟に変更可能で未来が見えるまちをつくりたい。そのために、著しい進化を続ける生成AIを主軸に据えた科学の村にすることが重要で、区域ごとに各種センサーやデータセンターを設置する。学生街や研究所、交流施設など、多様な年齢・分野の人が集い、生成AIとともにアイデアを出し合う場をつくり、新産業や雇用の創出につなげたい」と解説。「九大の卒業生のうち毎年50人が糸島に定住できれば、10~20年後にはものすごく若い、バランスが取れたまちになる」と語った。
講義は11月17日まで計4回計画されており、平野校長は「このまちづくり学校のテーマは大きく2つ。一つは生成AIの可能性を体感すること。もう一つは自分の仕事や趣味や勉強でAIを活用できるようになること」といい、「講義を受けて新しい形のまちづくりに共感し、行動を起こしてくれる人を増やしたい。そして春までに、1,000人の人に『SVIを一緒に盛り上げよう』と思ってもらえるようになりたい」と期待を寄せている。