糸島市二丈福吉で漁業を営む佐々木さん一家の次女・愛矢さん(高1)は、祖父母や両親が「一番弟子」と目を細めるほどの腕前と熱意で、積極的に漁業に携わっている。
愛矢さんが家族の手伝いを始めたのは、小学校低学年のころ。幼い時から家族の働く姿を見て育ち、ごく自然に作業に参加するようになっていった。周囲に教えてもらいながら少しずつやり方を覚え、今では繊細な技術が求められる仕事も手際よく進める。バタバタと暴れる魚を生き締めする難しい作業も、慣れた手付きでこなしてしまうというから驚きだ。
毎朝6時半に起床して学校に通い、夕方帰宅する愛矢さん。父・伸一さんの船が帰港すると、慌ただしく魚の出荷準備に取り掛かる。夕食や休憩を挟み、その後の出荷作業にも自ら進んで加わる。
大変なのではと尋ねると「特に大変じゃないです。家族の役に立てること、認めてもらえることが私のやりがい。家族に頼りにされるのが何よりうれしい」。屈託のない笑顔で語る愛矢さんは、優しくたくましく家族を支えている。
(地域特派員・廣瀬恵子)