【糸島市】創造的教育実践の授業公開

糸島高 文部科学省の研究指定3年目

オンラインで外部講師と課題解決

 文部科学省の研究指定校として、糸島高校(三宅竜哉校長)が取り組んでいるICT(情報通信技術)を活用した創造的教育方法実践プログラムの公開授業が同高で行われた。本年度はプログラム最終となる3年目。これまで積み上げてきた成果を基に、オンラインを活用した遠隔同時双方向型授業と教科等横断型カリキュラムに重点を置いた授業を実施した。

オンラインを使って行われた遠隔同時双方向型授業

 授業は10月24日、1、2年生のクラスで行われ、県教委職員や、県外の同プログラム指定校、県内の高校の教員、大学の研究者ら約80人が来場した。

 創造的教育方法を実践する授業は8クラスで公開され、1年生の地理総合では「都市の抱える問題」を取り上げ、糸島地域の実態を踏まえ、課題解決に向けて自ら考えようとする姿勢を持たせる流れの授業をした。

 糸島地域での産業別就業人口の割合の推移を示すものなど、さまざまな統計データから、農村から街へと人口が流出し郊外地域の高齢化、利便性の低下が深刻になっている状況を読み取った。

 その上で、生活基盤が弱体化している地域の人たちの生活をどう守っていくのか、郊外地域で移動販売車を運行しているマルコーの幸田敏治社長に、オンラインで現状や課題について話を聞いた。

 この授業では、地域の問題を「自分事」として考えることができるようになるのが指導目標の一つ。授業終了後、来場者と意見を交わす合評会では、生徒と幸田社長のオンラインでのやりとりで、生徒が事前に用意した質問だけでなく、問題をさらに掘り下げる追加の質問をしていたことを、担当教諭が取り上げた。その上で「自分たちにできることを真剣に考え、探究していく姿勢があった」と評価した。

 また、プログラムの運営指導委員や糸高コンソーシアム委員による会議もあった。遠隔同時双方向型授業の中には、教員から細かく見てもらっているという実感が十分ではないものがあったとして、効果的なオンラインの使い方が課題との意見が出た。別の委員からは「同時双方向型の形態では、いろいろな見方、考え方を学ぶことができ、考える力、課題を解決する力をつちかっている」との声があった。

 公開授業前日の23日には、文部科学省で学習指導要領改訂を担当した経歴のある合田哲雄・文化庁次長が「デジタル化時代における公教育の役割『内発を誘発するための外発』を実現するために」と題して講演した。

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