元寇750年記念、飯盛神社
鎌倉時代にモンゴル帝国の大軍が日本に押し寄せた元寇(げんこう)で、1回目の襲来となった「文永の役」(1274年)から今年で750年。この節目を記念し、福岡市西区の飯盛神社(牛尾秀司宮司)で4日に催された流鏑馬(やぶさめ)行事では、戦いの歴史を乗り越え、友好の絆を深める機会にしようと、モンゴルの馬術協会の4人が参加して日本の射手と競演した。
同神社の流鏑馬行事は1838(天保9)年から継承されている。ただ、古文書によると、蒙古襲来時、同神社に陣を張った鎌倉武士が馬術の鍛錬を行い、それが流鏑馬のルーツになっているという。
今回の競演は、在福岡モンゴル国名誉領事館の呼びかけで実現し、女性1人を含むモンゴルの馬術協会の4人は元軍の軍事姿となり、飯盛宮当流流鏑馬保存会の射手と入れ替わりながら、疾走する馬上から、三つの的に向けて次々と矢を放ち、的を射抜くと、沿道に詰めかけた観客から歓声が沸き上がった。
シーテヴェ・アルタン・イルデン名誉領事は「750年前は戦うための武器だったが、今はそれを友好のために使うことができ意義深い。平和につながる交流となった」と話していた。