パーキンソン病患者の卓球国際大会
パーキンソン病患者のための卓球国際大会に出場した糸島市二丈福吉の小山理恵さん(63)が、女子ダブルスで金メダルを獲得した。小山さんは「同じ病気をもつ外国選手たちとつながり、真剣勝負ができたことは大きな励みになった」と語った。
出場したのは、10月13~19日にスロベニアで開催された「ピンポン・パーキンソンワールドチャンピオンシップ」、同23~27日にフランスで行われた「世界パーキンソン卓球選手権」の2大会。フランス大会での女子ダブルス金メダルをはじめ、四つのメダルを獲得する快挙を成し遂げた。
小山さんは10歳から卓球を始め、社会人チームで全国大会に出場した経験もある。57歳の時に、手足の震えからパーキンソン病と診断。主治医から「病気の進行を遅らせるには運動が有効」と勧められ、難病を抱えながら卓球を続けてきた。昨年、一昨年も世界大会に出場し、女子シングルスで2連覇を達成するなど実績を積んでいる。
今回のフランス大会では体調を崩し、女子シングルス決勝を棄権。身体が思うように動かずホテルで休んでいる時、大会で知り合った海外の選手らが部屋に来て、脚をマッサージしたりテーピングをしてくれたりしたという。小山さんは「病気を抱える人同士の心遣いが、宝物のように感じた」と振り返った。
女子ダブルスでは、昨年からパートナーを組む蟹江真由美さん(愛知県)と「ぜひ共にメダルを」と奮起。力を合わせ、優勝を勝ち取った。
小山さんは13日に、月形祐二市長に大会結果を報告。月形市長から「体調に気をつけて、これからも皆さんの希望になるようがんばって」と励ましを受けた。
小山さんは「来年の世界大会は、シングルスで優勝したい」と目標を掲げ、「これからも世界の仲間たちと交流を深めたい」と話した。また「同じ病を患う人たちに、『病気になっても、残りの人生を豊かに暮らしていける』と伝えたい。パーキンソン卓球を通して、患者同士がつながる手助けができれば」と思いを語った。
=糸島新聞ホームページに記事掲載