【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》少子化対策で重要なこと

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少子高齢化対策-。少子化と、高齢化とでは解決策が異なるにもかかわらず、これらの重大な問題を一体的にとらえてしまい、向き合ってこなかっただろうか。「いとしま結婚応援団」が11月中旬、糸島市内で開いた福岡大経済学部教授の木下敏之さんの講演会に参加し、少子化対策はいかに進めていくべきか考えさせられた▼講演のタイトルは「未婚化・晩婚化の実情 私たちができること」。木下さんは、高齢化は寿命がのび、高齢者が増えたのが主因であり、少子化が原因ではないとした上で、少子化の深刻な現状を数値で示した。日本の出生数は2015年に100万人だったの対し、今年は67万人台までに減ると予測されているという▼赤ちゃんを増やす手段として重要なのが「結婚の促進」。ただ、自治体の多くが力を入れているのは、結婚した夫婦が希望するだけの子どもを産めるよう支援する保育所や学童保育の整備。木下さんは、それ以上に未婚化・晩婚化の対策に取り組むべきだと主張する。というのも、子どもが生まれない要因の9割は、独身化によるものという分析があるからだ▼5年ごとに行われる国立社会保障・人口問題研究所の独身者調査で、結婚しない理由のトップになっているのが「適当な相手にまだめぐり会わない」。出会いの機会が少ないというのだ▼かつて、出会いの機会はお世話好きな人によってつくられていた。未婚の男女がいると、縁談を持ちかけていたが、今はAIのマッチングシステムが担う時代。ただ、結婚の決断をうながすのは、やはりお世話好きな人のひと押し。木下さんは、AIとこうした人たちのハイブリッドが大きな結婚支援になるという。婚活イベントなどの活動を続け、成果を上げている、いとしま結婚応援団。糸島では今も、お世話好きの人たちが大いに活躍している。ぜひ、結婚支援の先進的なモデルとなることを願っている。

(糸島新聞ホームページに記事掲載)

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