老松神社で伝統行事の追儺祭
「鬼(おん)じゃ、鬼じゃ」の掛け声とともに、厄年の男性が扮(ふん)する赤鬼を先頭にした鬼の一団が街中を駆け巡り、厄を集めた-。糸島市前原中央の老松神社で7日、厄払いの伝統行事「追儺(ついな)祭」が行われた。境内では地域住民が昨年の福笹などを持ち寄り、火にくべて新たな福笹を受け取った。また、縁起物の木鷽(うそ)の販売が行われ、鷽についた福引券での空くじなしの福引も行われ、当選者からは歓声が上がった。
今年の当番町は前原西行政区(吉丸俊幸区長、持田充弘実行委員長)。毎年販売される鷽替え用の木鷽と共に、金属加工を手掛ける丸山豊與さん(77)が当番町の一員として特別につくった「金鷽」もお目見えし、注目を集めた。当番が回ってくるのは9年に1度のため、金鷽はとても貴重。丸山さんは「9年後はもう作れんかもしれん」と照れ笑いを浮かべたが、周囲は「まだまだ作ってもらわんと」と声をかけた。重厚感のある金の鷽はひときわ輝いていた。
鬼たちは、鬼の角を模したしめ縄を頭に巻き、ベージュの装束に身を包んで町内を巡った。各所で日本酒やおつまみなどの接待を受け、体を温めながら、「お汐井取り」で持ち帰った「お汐井」をまき、商売繁盛や無病息災を祈願した。神社に戻った鬼は、境内の鬼すべ堂に追い込まれ、マツの青葉でいぶされ、無事に厄払いを終えた。
町内の子どもたち約20人も小鬼として行事に参加。接待所ではココアやお菓子などをもらって冬休み最後の一日を楽しんだ。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)