櫻井神社
糸島市志摩の櫻井神社で10日夜、厄除けを祈願する伝統行事「餅押し裸祭」が行われた。降りしきる小雪と闇夜の中、境内は熱気と歓声に包まれた。
1985(昭和60)年度生まれの前厄に入る男性6人が本殿から、直径約30センチの大鏡餅を次々と投げると、締め込み姿の若者約30人が餅を割れるまで奪い合った。餅を割ることで、厄を分け合うとされ、激しく体をぶつけあい餅を取り合う男衆に、「分けろ、分けろ」という掛け声や「力水」が勢いよくかけられ、寒空の下、男衆の熱気が湯気となってあがった。
前厄の男性らは、約90キロのもち米を使い、大鏡餅と餅まき用の小餅を準備。神事の前には、参拝者への餅まきが行われ、小餅が闇夜に舞い上がるたびに「こっちこっち!」と歓声が上がった。ポケットや袋一杯に餅を詰めた参拝者たちは、ほくほくとした笑顔を見せた。
家族で訪れた桜野小1年の松村陽花さんは、なかなか餅が割れない場面には声援を送りながら「おしくらまんじゅうみたい。私もやってみたい」と目を輝かせた。
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