【糸島市】洋裁ボランティア 障害者をサポート

火よう会、収益金寄付「笑顔見るの幸せ」

 毎週火曜日、糸島市潤の市健康福祉センターあごらのボランティアルームでは、ミシンの音と明るい話し声が響く。洋裁好きの仲間が集まるボランティアサークル「火よう会」(渕上靜江代表)は、エプロンや小物を作成し、バザーで販売。収益金を障害者施設などに寄付している。

会話を弾ませながら作業するメンバーたち

 「火よう会」は、中学校教諭だった濱地ミツヱさん(故人)が、養護学級や障害児を受け持った経験から、1990年に保護者らと「たんぽぽ作業所」を立ち上げたのが始まり。仲間たちと共に「たんぽぽボランティア」として障害者支援を続けた。障害者自立支援法の成立に伴い、2008年に作業所は事業所に発展。濱地さんたちは「火よう会」と名前を変え、洋裁を通じたボランティア活動を続けてきた。

 濱地さんは2019年に89歳で亡くなったが、その思いは引き継がれ、現在は70代から80代の女性12人が活動している。

洋裁ボランティア「火よう会」のメンバー

 販売会では、エプロンやかっぽう着が特に人気。「しっかりしていてずっと使える」とリピーターも多いという。

 20年以上参加する時任紀子さんは「家にこもっているのは苦手なので、週1回の活動が楽しみ。私も何かお役に立てているのかなと思うし、友達も増えて楽しい」と笑顔を見せる。

 参加2年目の小森節子さんは「長く活動している会の一員になれてありがたい。自分も誰かの助けになることができれば」と得意のバッグ作りに励む。

 渕上さんは「障害者施設の人や作品を購入してくれる人の笑顔を見るのが、何より幸せ」と語り、「仲間たちも高齢になってきたけど、自分たちのペースでボランティア活動を続けていきたい」と前を見据える。長年紡がれてきた「火よう会」の活動は、手仕事を通して人々を結びつけ、多くの笑顔を生み出している。その温かい輪はこれからも広がり続けるだろう。

問い合わせ
市社会福祉協議会
092(324)1660

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

目次