【糸島市】家々巡り厄払い

深江神社で追儺祭

「福は内、鬼は外!」。元気な子どもたちの掛け声が家々の玄関先で響き渡る-。糸島市の深江神社(空閑隆和宮司)で19日、穏やかな晴れ空のもと、「追儺(ついな)祭」が行われた。厄入りの男性たちが鬼の面をつけ、法被(はっぴ)姿の子どもたちや神職とともに太鼓の音に合わせて地域の家々を巡り、厄払いを行った。

訪問先の1歳2カ月の荒巻玲李利(れいり)くんは鬼に抱かれても泣かず。「強いねー」と感心された

 今年、厄入りを迎えた地元出身の39歳と40歳の男性15人は、神社で厄払いを受けた後、鬼の面をつけ、5班に分かれて神社を出発した。それぞれの家の玄関では、神職が祝詞(のりと)をあげ、子どもたちが元気よく「福は内、鬼は外!」と声を張り上げて厄を払った。また、手作りの木鷽(うそ)と福豆を住民に手渡した。訪問先では、住民が用意したお神酒や、子どもたちにはお菓子が振る舞われた。

 朝9時頃に神社を出発し、多いところでは120軒以上を回り、神社に戻ったのは午後3時半頃。子どもたちはへとへとになりながらも、お菓子でいっぱいになった大きな袋を抱えて笑顔で解散した。

 氏子の谷口純洋さん(84)は、自身が鬼役を務めた頃を思い返しながら「昔はどの家でもお酒が振る舞われ、10人いたら、神社に戻ってこれたのは3人くらいだった」と懐かしそうに語った。また、境内では「どんど焼き」が行われ、地域住民が三々五々、しめ縄や前年の木鷽などを持ち寄り、火にくべた。

 福岡市西区在住で、鬼に扮(ふん)した藤崎修平さんは「1軒1軒回るので大変な行事」と苦笑しつつも「地域の人々と顔を合わせられ、子どもたちもご褒美をたくさんもらえて、とても楽しい行事だった」と話した。また、東京や沖縄など全国各地から駆け付けた同級生たちとも旧交を温めた。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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