16日から 技術の高い細工など
糸島市二丈田中の国登録有形文化財、椛島家住宅が16日から、古民家美術館として一般公開される。同住宅は130年ほど前の明治時代中期に地主層の住宅として建てられ、糸島地方での民家建築の流れをくんだ近代的な建築の好例とされる。当時の建具職人や左官職人、絵師が施した技術の高い細工などが鑑賞できる。

同住宅の建造物は、主屋や蔵、庭門、塀などがあって見事な景観をつくりだしている。敷地中央にある主屋は2階建てで、正面には大小の八角形の格子窓や出格子が配されている。造作の質も高く、糸島での近代大型住宅の特徴をよく示しているとされる。
館内では、英泉や国芳、国貞、豊国、師宣など有名な浮世絵師による美人画を中心とした版画約50点も展示。風格のある建築の雰囲気を感じながら、ハンドライトの明かりを当てて顔の表情や手足、衣装などをじっくりと見ることができる。

所有者で館長の椛島禅徹さんは「古民家は長い年月にわたって農家の生活文化を残してきており、それを感じ取ってもらえたら」と話していた。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)