「かえでの杜」商品開発をサポート
糸島市蔵持に、事業者を支援するコミュニティスペース「かえでの杜」がオープンした。運営するのは、商品開発や販売促進を手がける「糸島ブランド開発研究所」代表の稲吉勝富さん(51)。「地域の作り手たちがゆっくりと交流する場として使ってもらえたら」と話す。

稲吉さんは「高品質なものづくりをする人が多い糸島で仕事がしたい」と、築50年以上の古民家をリノベーションし、1月末に施設をオープン。作り手の人柄や思いに深く寄り添いながら、ブランドの構築から販売支援まで一貫して行う。ロゴやチラシ、ホームページの制作に加え、スタッフの本田和加奈さんが通販サイトの運営や販売管理を担当し、作り手のブランドづくりを支援している。
同研究所も、新商品として無添加の米菓「伊都おこし」を販売。糸島の米農家と連携して、規格外の米「中米」を使い、軽やかな口当たりで土産物にもぴったりな一品だ。「農業など一次産業に関わっている人の思いを形にしたかった。農家の方にもとても喜んでもらえた」と話す。
また「かえでの杜」は、ワークショップやお茶会などレンタルスペースとしても利用できる。オープン以来、ヨガや着物会、起業家女子会と多様なイベントに使われているという。
「非効率でも、膝を突き合わせてしっかり話を聞くことを大切にしている。作り手がより良い商品を売れるよう、二人三脚でブランドを育てていきたい」。地域の作り手たちの可能性を広げるこのスペースが、どのような未来を築いていくのか注目だ。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)